飛行船第17号    編集後記

 新緑の五月。木々は芽ぶき、葉は艶を増し、虫たちは蠢き始める。太陽も燦燦と振り注ぐが、そう暑くもない。何といい季節なんだろう。私は個人的にではあるが五月が大好きだ。寒い陰気な冬が去り、さあ!、と掛声を掛けてくれるように思える。私事ながら、私の誕生日は五月九日。しかし最近、五月の訪れは恐怖を伴う。傘寿を過ぎて誕生日を迎えるというのは、恐怖以外何者でもない。「ああ、また、年齢を重ねてしまった」と、溜息が出るのが実感である。しかし近年、実年齢以外に、健康年齢が問われるようになった。実際のところ、五十歳や六十歳で健康を損ねる人もいれば、百歳近くなっても意気軒昂で、体もぴんしゃんと若々しい先輩が数え切れないほどいらっしゃる。かく言う私も、未だに何処が悪いあそこが痛いという悩みもなく、非常に忘れっぽくなったという欠点を抱えながらも、何とか無事日常をこなしている。
 年寄りが何時までも頑張っていてはいけない、後進に道を譲る、きれいに引退する、しっかりしている間に自分で見極めをつける、などなど、頭を過ぎらないでもないが、まさに高齢化社会。年寄りが歴年齢だけを理由に遠慮することばかり考えていれば、超高齢人口の徳島県は立ちゆかないのでは?という懸念すら覚える。と、いろいろ理屈を付けて、今回も無事、「飛行船17号」を発刊することができた。
 今までにない厚さになったのは、嬉しい悲鳴ではあるが、頁数が増えるとコストも上がる。消費増税は何とか乗り切りたかったが、今回は送料の値上げが響く。(利用していたヤマト運輸のメール便が廃止)
 コスト増を理由に、会員の書く意欲を削ぐようなことだけはしたくない。会員には思う存分書いて欲しい。今回から新会員も加わった。みんな長い物に挑もうと意欲的である。
 考えに考えた末、本代を値上げすることにした。と言って、書店で売れる部数は微々たるものなので、さして影響はないが、とりあえず価格を千円から千二百円に上げさせてもらった。これが、アベノミクスの経済効果(?)なのである。
 かくかくしかじかではあるが、今号には前回を凌ぐ力作が集まった。みんな意欲もあるし、着実に力をつけてきている。どうぞ、ゆっくり読んでいただいて、一人一人を応援し、励ましていただきたいものである。
 今号から、会員の意見もあり、気分一新を図り、表紙絵を    氏にお願いすることにした。創刊より、八年間の長きに渡り愛用させて頂いた長尾弘久氏に、厚くお礼申し上げます。また今回も、いろいろ無理な注文を、快く引き受けて下さった徳島教育印刷株式会社の小川浩二様に、心より感謝の意を表します。

 

平成二十七年五月

                              竹内菊世

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