編集後記   第4号

 毎度のことであるが、まずは無事発刊出来たことを喜びたい。「4号」というのは意義がある。いわゆる泡沫誌としての異称である「3号誌」を脱却したことである。それを祝って、この度は大きな賭けをした。
 次回5号の発刊を目指しての作品公募だ。生まれてまもない未だよちよち歩きにも満たない「飛行船」に、どれだけの人が応募してくれるかはなはだ疑問ではあるが、まずは挑戦してみたい。ゆっくりと歩いている余力が残されていないので、とりあえず思い立ったが吉日というところか。どうか、我々の意のあるところをお汲み取りいただき、是非是非多くの方に応募していただきたい。また、お近くに該当者がいたらお勧めいただきたい。切にお願いする次第である。
 さて、「飛行船4号」には傑作が揃った。
 齋藤澄子の「謎つばき女波町」は、彼女の持味が十分に生かされ、読者をぐいぐいと引っ張っていく力作である。軽妙で豊かな文章表現はきらきらと輝き、不可思議な世界へと誘ってくれる。また、号を重ねるごとに力をつけている松田一美の「螺旋・スパイラル」も、胸を張れる作品だと思う。
 徳島ローカル作家の大先輩、岡田みゆきさんが亡くなった。何とか彼女の偉業を讃え追悼したいと思ったが、私にはそれだけの力量がない。そこで、「徳島作家」時代の仲間であり、先輩である橋本潤一郎氏におずおずお願いしてみたところ、幸運にも快諾を得ることが出来た。
 今号の招待は、その橋本潤一郎氏の評論、「岡田みゆきさんを読み返す中で」である。期待通り、橋本氏ならではの視点に立った彼にしか書けない内容で、しみじみと岡田みゆきさんが甦ってくる。快く原稿をお寄せ下さった橋本氏に感謝、感謝である。 
 徳島は偉大な作家を生んでいたんだと今更ながら驚嘆する。それにつけても後が続かない情けなさ。徳島の作家は沈滞している。書きたい人、書いてきた人は老齢化し、若者は育っていない。この現状をなんとか明るい方に向けたい。書きたいと思っている人、書ける人はきっといる筈。これからに期待して、「飛行船」がその土台の役を果たすことができたら嬉しい限りなのだが。
 「3号」発刊に伴ってのエピソードを披露したい。松崎慧「早逝した叙情詩人高原熹勇」が評判になっている。当時親交のあった方々から、思いがけない資料が提供されたり、写真が寄せられたりで、著者の松崎は嬉しい悲鳴を上げている。また、貴重な資料を提供して下さった岸恭也氏から、わが「飛行船」に多額の御寄付をいただいた。初めてのことに同人一同歓喜している。この流れで、上勝町の方々に沢山買っていただけるのではと勝手にほくそえんでいるのだが。
 十一月に文学書道館で「全国同人雑誌縦覧展」が開催された。東京、名古屋などから活躍されている同人誌の代表が集り、意見を交換した。意気盛んな同志に接して、少なからず元気を貰うことが出来た。お知り合いも出来た。今後も親交を深め、全国的な視野で眺めてみたいと思っている。